プラスチック射出成形 取り扱い樹脂について プラスチック成形で取り扱いする樹脂と主な製品 ポリカーボネイト(PC) 非晶性プラスチックで、無色透明・耐衝撃性、耐熱性、耐寒性に優れており、有機溶剤に侵される特徴もあります。電気的性質に優れ、電気絶縁性もよいのもポイントです。 成形収縮率は非晶性プラスチックのため、0.5~0.7%程度。 遊戯基盤ケース、DVD・CDケース、電子部品ケース、自動車ヘッドライト、レンズ・照明器具などに使用されています。 アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS) 耐熱性・耐摩耗性・寸法安定性に優れている樹脂です。非結晶樹脂のため、有機溶剤に侵されます。 耐候性はよくないですが、表面光沢がよく、2次加工性が高い樹脂です。溶着が容易なこと、メッキしやすいことは大きなメリットといえます。 成形収縮率は非晶性プラスチックのため、0.3~0.7%程度。 家電部品、OA機器部品、自動車内装部品などに使用されています。 ポリカABSポリマーアロイ(PC/ABS) アロイ樹脂PC/ABSは、PCとABSの特徴を兼ね備えている樹脂です。 軽くて強く、耐熱性に優れるうえ、耐薬品性を持ち、電気的性質に優れています。溶着・塗装・メッキが容易であるのもポイントです。 OA機器部品、自動車内装部品、家電部品、照明器具、スーツケースなどに使用されています。 アクリル(PMMA) 透明プラスチックの中では最も透明度が高く、耐候性がよいうえに硬度が高く、透明プラスチックの中では最も傷が付きにくい樹脂です。 成形収縮率は非晶性プラスチックのため、0.3~0.7%程度。 レンズ、透明風防、自動車リアランプ、医療用品、照明用品、光ディスクなどに使用されています。 ポリプロピレン(PP) 比重0.90~0.91と水より軽く、汎用プラスチックの中では最も比重が小さいため、コストメリットがある樹脂です。 耐薬品性は良好で、ヒンジ特性があるのも特徴です。成形収縮率は結晶性プラスチックのため、1.5%程度と大きいです。 日用品、家電部品、自動車部品、食品容器、キャップ、コンテナ、衣装ケース、洗濯機部品などに使用されています。 ポリエチレン(PE) 低密度(LDPE)、高密度(HDPE)によって、特性が違う樹脂です。結晶性プラスチックなので、耐薬品性・電気特性・電気絶縁性に優れています。 「吸水性がない」「衝撃強さが大きい」「耐寒性にも優れている」「紫外線で劣化しやすい」など、多数のメリットがあります。熱安定性が良好なので、水より軽いのもポイント。 成形収縮率は結晶性プラスチックのため、2~3%程度と大きいです。 包装資材(LDPE)、フィルム、ラップ、電線被覆、包装資材(HDPE)、食品容器、灯油用ポリタンク、照明などに使用されています。 ポリアミド(ナイロン・PA) ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン46など、多数の種類がある樹脂です。 結晶性樹脂・結晶性であるため、油や炭化水素系溶剤には優れた耐性があります。すべり摩擦特性や耐衝撃性に優れており、吸湿・吸水性が大きいのも特徴です。 自動車部品、インシュロック、ボビン、ギヤ、プーリーなどに使用されています。 ポリスチレン(PS) 様々な種類がある樹脂です。一般用ポリスチレン(GPPS)は比重1.04~1.06なので透明であり、耐衝撃ポリスチレン(HIPS)は乳白色・非晶性になります。 HIPSは有機溶剤に侵され、耐油性もよくないので、PMMA樹脂には及びませんが、透明性のよいプラスチックです。PSそのものは耐候性がよく、優れた電気絶縁材です。 成形収縮率は非晶性プラスチックのため、0.4~0.6%程度。 透明な日用品、家電部品、OA機器部品、食品容器、冷蔵庫透明部品、雑貨などに使用されています。 ポリアセタール(POM) 結晶化度が75~85%と高い、結晶性のプラスチックです。結晶性であるので、耐有機溶剤性・耐油性が良好なのが特徴。摩耗特性に優れ、自己潤滑性もあります。 紫外線に弱いですが、疲労強さはプラスチックとしては大きい値なのもポイントです。 成形収縮率は結晶性プラスチックのため、2%程度。 OA機器部品、歯車、プーリー、自動車部品などに使用されています。 ポリエチレンテレフタレート(PET) 透明性・ガスバリヤ性に優れている樹脂です。さらに耐油性、耐薬品性、耐寒性にも優れているのが特徴といえます。 フィルム、薬品容器、食品容器、化粧品容器、ペットボトルなどに使用されています。